2005年08号
外科的矯正で美しい口もとになった鳥居さんの場合

笑顔がチャーミングな鳥居照子さん

 

愛知県の矯正歯科専門医院で歯科技工士として勤務する鳥居照子さん(28)は、約4年前に上下のあごを手術。

「小学6年まで指しゃぶりをするクセがあって、そのせいか、ものすごい出っ歯だったんです。骨格的にも下あごが引っ込んでいたので、よけい出っ歯が強調されていました。それで学生の頃(7年前)、歯を4本抜歯して一般歯科で矯正歯科治療を始めました」

4本の抜歯の内訳は、上あごの左右7番、それと上あご左右の4番(第1小臼歯)だったそうですが…。

「抜歯後、矯正装置をつけて1年弱で歯並びは多少なりとも改善しましたが、あごの形はそのまま。横顔や口もとの変化はほとんどありませんでした。そんなこともあって、治療中に就職して今の矯正歯科医院に来てから、やっぱり矯正歯科専門医のもとで治療をやり直したほうがいいかもしれないと思い始めたんです」

「仕事場の院長に相談すると、検査の結果、外科的矯正をすすめられて。院長によると、咬み合わせを考えれば抜歯部位の選択と治療方針が違っていたら、場合によっては手術しなくても治療できたかもしれないそうです。ただ、上下のあごが前後にズレていたり、閉じにくい口もとを改善しようとすると、やはり手術をしたほうがいいということでした」

仕事柄か、手術に対する恐怖感はそれほどなかったそうですが、痛みに対する不安が大きかったという鳥居さん。そんな彼女の背中を押したのが、知人のこんな言葉でした。

「『子どもの頃から10年くらい矯正治療が必要な歯並びも、手術をすればあっという間に治るんだよ』って、知り合いの方にいわれたんです。『君の今の治療だと、とても遠回りしている』って。たしかに外科的矯正をすれば、前後の矯正期間を入れても2年ほどで治るんだと思うと、よしやろう! と思えました(笑)」

2001年9月に手術・入院。当初、不安に感じていた痛みについてはどうだったのでしょう?

「手術中は全身麻酔なのでまったく覚えていません。でも、麻酔が切れた後はやっぱり痛かったですね。食事ももちろん口からはとれなくて、術後の3日間は点滴でした。その後は鼻からの流動食。口で食べられるようになったのは、6日目くらいだったかな? でも、私は痛みに耐えるのは割合平気なほうなので、他の人より回復が早かったと思いますね。1週間後には退院していましたから」

そして、退院した翌日には仕事に復帰していたのだとか。

「ただ、手術の後、7日ほど顎間固定をしていて口が開かない状態だったので、筋肉が衰えちゃって、顎間固定をはずしても1mmくらいしか口が開けられないんです(笑)。1カ月くらいでようやく普通に開くようになりました」

---そんな大変さを乗りこえたおかげで、鳥居さんの横顔は見違えるように美しくなりました。

外科的矯正を受ける前の横顔と口もと(1999年)

手術後、横顔の印象はかなり変わった(2001年)

   

術後矯正も終わり、機能的で美しくなった横顔(2002年)。治療前と比較すると、その差は歴然!!

「でも、手術した後、友達は全然気づいてくれなかったんですよ(笑)。『私、手術したんだよ』っていったら、ようやく『そういえば出っ歯だったかもね』って。自分が悩むほどには、まわりは見てないものなんですね。それでも、自分としてはものが食べやすくなったことがうれしくて。以前はお菓子の袋を歯で開けられなかったんです(笑)。麺類も前歯じゃ噛み切れなかったので、唇で切っていました。それがちゃんと上下の歯で噛めるようになった喜びは、すごく大きいですね」

それだけに、今の咬み合わせをずっと保とうという思いが強く、術後矯正が終わって2年経つ今も、家ではつねにリテーナー(保定装置/矯正装置をはずした後、歯の後戻りを防ぐためにつける装置)をつけているのだそうです。

「ただ、今でも古傷がじんわり痛むような感じが多少あごに残っているんです。でも、全員が全員こうした痛みが残るわけじゃないし、鈍い痛みがあったとしても手術をしたメリットのほうが断然大きいですね!」

---最後に、これから外科的矯正を始める方にアドバイスをするとしたら? と質問すると、次のようなコメントが返ってきました。

「外科的矯正の手術後はやっぱり痛いです。あと、しばらくは顔がすごく腫れるということは覚悟しておいたほうがいいですね。でも、手術自体はポピュラーなものですし、私自身、歯科技工士としていろんな症例を見ていますが、子どもの頃から矯正歯科治療を続けるより、大人になってから一気に外科的矯正をしたほうが楽なんじゃないかなと思うほどです。もし、治療に関して不安があれば、担当の先生ととことん話し合うといいですよ」

鳥居さんの治療DATA

1999年 6月(21歳) 一般歯科で4本抜歯、矯正歯科治療を開始
2000年 4月(22歳) 矯正歯科専門医院での勤務を機に、転医を検討
  5月(22歳) 精密検査の結果、外科的矯正に向けて術前矯正を開始
2001年 9月(23歳) 大学病院口腔外科にて手術(上下のあご)・入院
  10月(23歳) 術後矯正を開始
2002年 6月(24歳) 矯正装置をはずし、以後リテーナー(保定装置)を装着
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