2007年12号
あごの位置が変われば顔立ちも変わる?

矯正歯科に来る患者さんの中には、リラックスしているときのあごの位置と、普段ものをかんでいるときの位置とに無理なズレのある人が半分近くいるのだとか。そして、そのうちの約半数にあごの痛みやだるさといった、何らかの自覚症状があるといいます。

小池真理子先生

お話をうかがった小池真理子先生

「矯正歯科治療の役割は、単に歯並びを整えるだけでなく、筋肉などのバランスがとれる一番いい位置にあごを動かすことでもあります。その患者さんに望ましい目標の顎位(がくい)を探すために、矯正装置をつける前に、数ヶ月間スプリントを使っていただいて、正しいあごの位置を探ることもあるんですよ」
と話すのは、東京医科歯科大学・教員の小池真理子先生。

 
谷田部賢一先生

■スプリントとは?
顎関節を安定させるために使われる装置。症状によって形や大きさはさまざま。

スプリント

成長期にある子どもだけでなく、骨の成長がストップしている大人であっても、あごを正しい位置に導くことは可能。そして、顎位を正すことで咬み合わせがよくなる以外のメリットもあります。例えば、こんなケースです。

 

case1
かみしめる力が強すぎてほほの筋肉が痛いという反対咬合のAさんの場合



case1
矯正歯科治療で上下の歯の咬み合わせを整えることで、痛みを改善。この場合、正常な咬み合わせに変えたことで顔立ちのバランスも整いました。

 

case2
下あごを常に前に出してかんでいるという開咬のBさんの場合



case2
あごをもっとも楽な位置にすると下あごが後ろへ下がりますが、前歯でかみきれないため、意識して下あごを前に出してかんでいるうちに筋肉のバランスが悪くなり、肩こりや目の疲れが現れるように。矯正歯科治療で下あごの位置、咬み合わせを変えることで、それらも改善しました。

line

「矯正治療では10mmもあごを動かすということはまずありません。動かしてもせいぜい2mmか3mm。それでも気になる痛みなどの症状が改善し、結果として輪郭や横顔も変化することが多いですね。もちろん、咬み合わせに由来する肩こりなども治る場合がありますよ」

咬み合わせと体の関係。それはまだまだ謎のヴェールに包まれていますが、矯正歯科治療が私たちにもたらしてくれるものは、どうやら「よく噛める美しい口元」だけではないようです。

★ここまで読んで、自分の咬み合わせが気になってきたあなた!  次のページで、自分自身の咬み合わせをチェックしてみましょう。

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