2007年15号
歯磨きは、一生続く歯周病予防

「私の実感としては、症状に差こそあれ、さまざまな目的で来院される患者さんのほぼ100%が、何らかの歯周疾患にかかっていますね。昔と比べてみなさんの口もとに対する健康の意識は上がっているものの、歯医者にも行かず自己流で歯磨きを続けてきたという人で、本当にキレイな口腔を保てているという人はまずいないと思います」

そう話すのは、東京・銀座にある「銀座デンタルケアークリニック」院長の福島大介先生。先生のクリニックでは、歯周病の治療だけでなく、その予防にも熱心に取り組んでいます。

福島大介先生
「銀座デンタルケアークリニック」院長
福島大介先生

歯周病の治療は、口の中を清潔にすることが最優先。そこで、まずは歯面や歯周ポケットにあるプラークや歯石、歯根表面の汚染されたセメント質を取り除いて、口の中を徹底的にクリーニングしていきます。しかし、何より重要なのは、患者自身が自宅での歯磨きをしっかり行うことなのだとか。

「いくらクリニックで歯をキレイにしても、患者さんが毎日のメンテナンスを正しくしていなければ、また歯石がついて同じことの繰り返しになってしまいます。そのため、歯磨きの指導には特に力を入れていますね。それも、口の中の状況は誰一人として一緒ではありませんから、磨き方や歯ブラシは、状況に合わせて歯科衛生士が柔軟にアドバイスするようにしています」

生活習慣や体の免疫力など、要因はいろいろいわれているものの、結局のところ歯周病は“細菌感染”で起こる病気。そのため、歯磨きで汚れを落とすことが予防の基本なのです。しかし、咬み合わせや歯並びに問題がある場合は、どうしても磨き残しが出やすくなってしまうため、福島先生のクリニックでは、もともと矯正歯科治療を考えていなかった患者さんにも、歯周病の度合いや状況によっては、治療をすすめることがあるといいます。

「もちろん、さまざまなケースがありますし、矯正歯科治療をしたからといって、必ず歯周病から歯を守ることができるとはいいきれません。ですから、長い目で見たときの最善の方法を考えて、患者さんと時間をかけて矯正をするかしないかを決めていきます。何よりこれは、ご本人の意識と主体性が大切。我々だけ頑張ったところで、どうにもなりませんから」

その後、患者の居住地や希望などに合わせて矯正歯科を紹介していきます。もちろん、前のページでふれたように、矯正歯科に来た患者を一般歯科に紹介するケースもあります。

こうした連携医療、実はどこのクリニックでも同じように対応してくれるとは限りません。歯周病の予防にしても、その取り組みに大きく違いがあるのが現状です。

「若くして自分の歯を損失してしまったときの喪失感には大変なものがあります。いつまでも健康な歯をキープして、QOL(Quality of Life)を向上させていくためにも、信頼できるかかりつけの歯科医をもつことが最も大切ではないでしょうか。歯周病は、ある程度治ったらそれでおしまいというものではありません。口の中のケアは一生続けるという気持ちをもっていただきたいですね」

歯周ポケットの中に、歯周病を悪化させる「バイオフィルム」という細菌の塊ができるのは、プラークがつき始めてからおよそ3ヶ月後といわれています。そのため、少なくとも3ヶ月に一度は歯科医院に定期検診を受けにいくことが、おすすめなのだとか。矯正歯科にしても一般歯科にしても、私たち患者と納得いくまでじっくり話をしてくれる、そんな先生に出会えれば心強いですよね!

さて、次のページでは、福島先生のもとで歯周病の治療をした後、矯正歯科治療をスタートした患者さんにお話を伺いました!

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