2005年1月号P1
 
外見的な「誤解」も生み出す、舌のクセや口呼吸
例えば、指しゃぶり。
赤ちゃんにとってのごく自然な行為のひとつですね。でも、「指しゃぶりをしていると、出っ歯や開咬(かいこう/※1)になりやすい」と、よく言われます。そのため「指しゃぶりはよくない習慣」という“性悪説”を聞くこともありますが、実際には指しゃぶりそのものがダメなのではなく、永久歯が生えてからもクセとして続けていることが問題、なのですね。

さて、ではどうして指しゃぶりをすると出っ歯や開咬になりやすいんでしょう。
それは「瞬間的な力にはそれなりの耐久力があっても、継続した力には弱い」という歯の性質に起因します。つまり、たとえ歯にかかる力が弱くても、ある一定の力を長く加え続けば、歯はやがてその力の方向へと動いてしまうのです(思えば矯正歯科治療も、歯のこうした原理を利用しているもの)。
指しゃぶりの場合、上下の歯の間に指を入れて吸うことで、前歯に圧力がかかり、徐々に前へ前へと歯が動くことになるわけですね。

「指しゃぶりの他に、ふだんから舌で前の歯を押すクセがあったり、口をポカンと開けていると、口のまわりの筋肉バランスが崩れてしまいます。それが長期間続くと、咬み合わせが悪くなるだけでなく、子どもなら顎の骨がちゃんと成長しなかったり、矯正治療をしても後戻り(※2)しやすかったり。あるいは、いつも口を開けているため、外見的な誤解を受けやすくなったりもするでしょう」
と話すのは、日本初の筋機能療法士で歯科衛生士の高橋未哉子先生。

要するに、舌癖のある人はいつも舌が口の中で低い位置や前方にあり、歯を押している状態。特にいつも口を開けている人は唇や頬の筋肉の力が弱く、外側から歯を押さえる力がないため、歯列は崩れやすくなるのです。
(※1)奥歯を咬み合わせても、上下の前歯が咬み合わず開いた状態になってしまうこと。
(※2)装置を外した歯が徐々に治療する前のよくない位置に戻ってしまうこと。
舌癖になる4大原因とは?
1.口呼吸…舌がいつも低い位置にある
〈口呼吸になる理由〉
鼻の病気:アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、蓄のう症etc.
のどの病気:扁桃肥大、アデノイドetc.
2.舌の裏のヒモ(舌小帯)が短い…舌が上あごにつきにくい
3.指しゃぶり…続けることで出っ歯になり、舌が出やすくなる
4.遺伝…顔かたちや歯並びによって、舌癖が出やすいことも!
 
ZOOM UP1 外見的な「誤解」も生み出す、舌のクセや口呼吸
ZOOM UP2 「舌癖」を治すMFTってなあに?
ZOOM UP3 P1筋機能が改善すると、唇の形や顔だちも変わる!
ZOOM UP3 P2●いろいろある、MFTのトレーニングメニュー
 

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