「歯並び治療をしよう」と思い、矯正歯科へ。しかし、大人の場合、矯正歯科治療を受ける前に、一般歯科や口腔外科など矯正歯科以外の診療科で治療を受ける場合がよくあります。今回は、そんな矯正歯科を取り巻く他科との医療連携の現状についてご紹介!
抜歯からインプラントまで。大人の矯正には他科との連携が必須
「連携医療」という言葉、聞いたことがありますか?
それは名前のとおり、領域の異なる専門家同士が協力しながら一人の患者さんの治療にあたること。矯正歯科治療を受ける場合も、治療をより効果的に進めるために矯正歯科医が一般歯科医や口腔外科医などと協力し合い、連携医療を行うことがよくあります。
その代表的なものが、ブレース(矯正装置)をつける前の抜歯【コラムご参照】。
抜歯は基本的に一般歯科医や口腔外科医のもとで行われるため、矯正歯科から適したクリニックを紹介され、そこで処置を受けることに。ほかにも、インプラントを用いた矯正歯科治療のために、口腔外科などであごの骨に小さな矯正用のインプラントを植立してもらうのも、矯正歯科と口腔外科との連携医療のひとつです。
●連携医療のイメージ
例えば、矯正歯科に歯並びの治療に来た患者さんにむし歯や埋伏歯(まいふくし)【※】があった場合。ドクターが患者さんの希望を聞きながら、通いやすい一般歯科や口腔外科を症状に応じて紹介。必要な処置を受けた後、本来の目的だった矯正歯科治療行う。

※埋伏歯=歯があごの中に埋まっている状態。下あごの親知らずなど。
歯の一部が表に出ていると、まわりの歯までむし歯になりやすいと言われている。
抜歯やインプラントの植立は基本的に単発の通院で済みますが、なかには連携先のクリニックでの治療に、数週間から数カ月かかる場合も。
そのひとつが、以前「えくぼ☆マガジン」でも取り上げた「外科的矯正治療」。
これはひどい受け口やあごの歪みなどを治療する場合に必要となる「外科手術を伴う矯正歯科治療」で、手術のために2週間ほど口腔外科に入院することになります。
→くわしくは「えくぼ☆マガジン」のバックナンバーをどうぞ!
顔が左右非対称だったり受け口だったり、あごの骨格に問題がある場合、患者としては「歯並びを治そう!」というより「あごを治したい!」と思うことが多いため、最初に口腔外科を受診する率が高くなるもの。とはいえ、あごの骨格に問題がある患者さんの場合、歯並びにも問題があることが多いため、口腔外科では矯正歯科との連携の必要性を説明し、患者さんの納得を得たうえで、連携先のクリニック(矯正歯科)を紹介することに。
同じように、矯正歯科にきた患者さんのあごに問題があった場合、矯正歯科が口腔外科を紹介して、口腔外科サイドでの治療を受けることになります。
こうしてスタートするのが、連携医療。
私たち患者としては、「ひとつのクリニックで治療が終わらないのは不便」と感じるかもしれませんが、連携するドクター同士で連絡を取り合い、検査結果や治療の内容などを共有しながら同じゴールに向かって進んでいくため、症状などをイチから説明する手間が省けて、かえってラク。しかも、連携するドクター同士はその分野で高い専門性をもっているので、安心して任せることができるのもメリットといえそうです。
◆One Point◆
ブレースをつける前に歯を抜歯するのは、どうして?
あごの成長発育が止まっている大人の場合、現在のあごの大きさをベースに治療を行うことに。そのため、あごの大きさに対して歯が並びきらずデコボコしている場合や、歯列が前に出ている場合などは、ブレースをつける前に歯を抜いて、その抜いたスペースを利用して歯列をきれいに並び替えたり、前歯を引っ込めていくのです。
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